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TikTokでバズるダンサー&振付師、えりなっちさんにインタビュー!TikTokでバズった振付はどうやって生まれたの?

TikTokでバズるダンサー&振付師、えりなっちさんにインタビュー!TikTokでバズった振付はどうやって生まれたの?

SNSをやってて楽しいと感じる瞬間

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--- TikTokやインスタをやっていて、楽しいと感じるのはどんなときですか?

えりなっち: 思ってた反応が返ってきた時ですね!さっきも少し話したんですけど「ここが面白いポイント!」と思って作ったところをみんなも面白いって言ってくれると嬉しいです!

--- 「面白い」と言われることが好きなんですか?

えりなっち: うーん、もちろん「面白い」って言われるのもうれしいんですけど、やっぱりダンスを見てもらいたいっていうのがあります。面白いとダンスだったら2:8くらいですね。SNSで色々とアップしているのも、ダンスを見てもらうきっかけになってもらえたらいいなと思ってやっているので。ダンスいいね!とかかっこいいね!とか言ってもらえる方がやっぱりうれしいです!まあSNSでバズるのは面白いほうなんで、こっちとしては歯がゆい気持ちもあるんですけど…(笑)

ダンサー・振付師としての仕事について

--- それでは次は、ダンサー・振付師としての一面について聞いていきたいと思います!えりなっちさんの本業はダンサー・振付師ですが、ダンスを始めたのはいつ頃なんですか?

えりなっち: 18歳のとき、高校三年の冬ですね。その時Perfumeが流行ってて、Perfumeのダンスを私が真似したら部活の子が笑ってくれるんじゃないかと思って練習してみたんですよ。結果はややウケくらいだったんですけど、そこで踊るの楽しいーってことに気づいて。大学生になってからスタジオに通ったり、ダンスサークルに入ったりして、本格的にダンスの勉強を始めました。

--- それじゃあダンス漬けの大学生活だったんですね。

えりなっち: そうですね。ダンスしか記憶に残ってないくらいやってましたね。がむしゃらにやってました。

ダンサーになろうと思ったきっかけ

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--- ダンスを始めてすぐにダンサーになりたいと思ったわけではないんですよね?

えりなっち: というより、なれるわけないよ、っていう気持ちが強かったですね。始めてから間もないし、高い学費払ってくれてるのにダンスばっかやってて親にも後ろめたい気持ちがあったし。どこかでなりたい気持ちはあったけど、それを押し込めて就活してた時もありましたね。

--- そうだったんですね。その気持ちが切り替わったのはどうしてなんですか?

えりなっち: コンテストに出始めて、すごい頑張って。そしたら優勝とかできるようになったんですよ。

--- はじめてまだ間もないのに!?それはすごいですね!

えりなっち: 自分でも何が起きたかわかりませんでした!家についてもずっとドキドキしてて「え、優勝してる!?」みたいな。それからも手が届かないと思ってた人たちのなかで優勝したりすると、少しずつ「わたしなんかが」っていう気持ちが薄れてきて。そのタイミングで「ダンサーになりたい」って母親にも言いましたね。それが大学4年生のときです。

---お母さんも快く背中を押してくれたんですね!

えりなっち: そうですね。なんとなくわかってたよ~みたいな。

ダンサーになるためにはじめたこと

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--- ダンサーになろうと思って最初に始めたことは何ですか?

えりなっち: えー、なんだろう。それまでずっと尊敬している先生のアシスタントで付いてたんですけど、誰かにすがることはよくないなと思って、自分でストリートイベントに作品出したりし始めましたね。そのタイミングでSNSにも力を入れようと思って。

--- 当時だったらインスタとかですか?

えりなっち: インスタも始めたんですけど、爆伸びしたのはVINEですね!そこで面白いダンスとか上げたらバズって、Twitterのバズり動画まとめみたいなのにも載ったら、認知度がどんどん上がっていきました。

始めてから3年でダンスで生計を立てる

--- そうだったんですね!それから色々なところから声をかけてもらってお仕事を増やしていったと思うんですけど、ダンスで生活できるようになったのは、ダンサーを目指してどれくらい経ってからなんですか?

えりなっち: 3年くらいですかね?

--- 3年!これまたすごい早さですね!

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えりなっち: いや~でもすごく濃い3年間でしたよ。APPTOPIで記事を書いた後にレッスン2本受けて、その後スタジオ借りて朝6時まで練習して、2時間だけ寝てまたAPPTOPI来るみたいな。それを当たり前にやってたので、その3年でだいぶ寿命縮まったと思います(笑)

--- 寿命が縮まるほどに(笑)

えりなっち: だから最近になってありがたいことに時間に余裕ができてきたんですけど、不安になるんですよね。甘えてんじゃないかなーって(笑)

--- もう大丈夫ですよ!これまで頑張ってきた分、ゆっくりして少しずつ寿命を取り戻さないと(笑)

振付師としての仕事について

--- 今はTiKTokでの振り付けもたくさん担当されていますが、これは事務所を通して依頼されるんですか?

えりなっち: いえ、個人のDMからお仕事をいただいてます。手振り動画が流行った最初の方は、趣味で自分が選んだ曲に振付をして「真似してね!」みたいな感じでアップしてたんですけど、それがバズって。それから依頼が来るようになりました。テレビとかでもTikTok振付師みたいに紹介していただいたりとかして。

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--- そうなんですね。TikTokの振付を作るときは渡された音源に振付をすることになると思うんですけど、その時に心がけていることはありますか?

えりなっち:やっぱり色々な人に踊ってほしいから、真似したくなるような動きを一個入れるというのは心がけてます。あとあまりに激しい動きだと、スタンプの加工が取れちゃったりするんですよ。そうならないように動きの大きさを調節したりもしてますね。他にも可愛く見える動きを多く取り入れたり、難しすぎると真似できないけど簡単すぎても真似する気にならないのでそのギリギリを攻めたり。いろいろありますね。

--- たくさんのことに気を付けながら振付を作っているんですね。これまで担当した中で印象的だったTiKTokの振付はありますか?

えりなっち:TikTokと音楽ストリーミングサービスのAWAがコラボした「あわあわダンス」の振付は、比較的自由にやらせてもらったので楽しかったです!当時は振付を案件として依頼すること自体があまりなく、先駆けみたいな感じだったので、制約も少なくて。

@akiyacloudy

こちらの #あわあわダンス えりなっちが振付させていただきました☺️?みんなのかわいい #あわあわダンス を楽しみにしてまーす?❤️是非踊ってみてね! @awa_music

♬ AWA AWA Dance – AWA

えりなっち:最近はちょっと「この動きはNG」とか制約が増えてきたので、多少やりづらくはなりましたね…(笑) 制約ありすぎて最終的にできたものが「これはわたしの振付なのか…?」っていうものだったり。それがあまりバズらなかったりすると「やっぱりな」って思ったりしますね(笑)

プチアガールについて

--- 振付するにもいろいろな悩みがあるんですね…。えりなっちさんは人気TikTokerのねおさんの歌手デビュー曲「プチアガール」の振付も担当されましたが、それもTikTokでの活躍が目に留まって依頼されたのでしょうか?

ねおさんは現在TikTokフォロワー220万人を誇る、言わずと知れた超人気TikToker。彼女の歌手デビュー曲「プチアガール」は、ブルボンプチシリーズのCMに使用された。TikTokでは「#プチアガール」を付けてこの楽曲のダンスを踊るハッシュタグチャレンジキャンペーンも行われ、数々のTikTokerたちがこの振付で踊った。

えりなっち: そうですね。詳しくは聞いてないんですけど、TikTokでバズる振付を作るTikToker、みたいなところで見つけてくれたみたいです。

--- TikTokでも「#プチアガール」のハッシュタグチャレンジキャンペーンがありましたし、もともとTikTokとコラボすることが前提だったんですね!この振付をする際に大変だったことはありますか?

えりなっち: 「#プチアガール」チャレンジのために、ある動きをするとプチクマのエフェクトがかかるスタンプがもう開発されていたんです。その動きを取り入れながら、TiKTokの画角で映える振付を考えるのが難しかったですね。あと、ねおちゃんの可愛さを引き出せるような振付にしたかったので、その時は毎日ねおちゃんのTikTokを見て彼女の動きを研究してました!

--- 毎日研究!それは大変ですね!

えりなっち: アイドルの振付をやらせていただくこともあるんですけど、そういう時は本人に会わずに振付だけ作るケースもあるんですよ。アイドルの方ってやっぱりファンの人ありきだから「○○ちゃんっぽくない!」って思われたらダメなんです。だからその子がどんな雰囲気なのかを知るために、ひとりひとりのSNSを全部チェックしたりしますね!

--- すごい~!ファンの気持ちまで考えて振付を考えるんですね!

舞台に役者として出演も。えりなっちの今後は?

--- えりなっちさんはダンス関係、TikTok関係以外にも、CM出演やMCなどの芸能活動もされていますが、2019年には芸人のエハラマサヒロさんプロデュースの舞台「ザ・ミュージカルマン」に出演されました。舞台出演の経験はあれがはじめてだったんですか?

「ザ・ミュージカルマン」は2018年にエハラマサヒロさんの10周年記念として公演された、お笑いと歌で構成される舞台ミュージカル。その翌年、2回目の公演にえりなっちさんはメインキャストの「マルカ」に抜擢された。ちなみに前年では同じ立ち位置の役「ラルゴ」を、俳優の加藤諒さんが演じている。

えりなっち: そうですね、はじめてでした!

--- そうなんですね!わたしも見に行きましたが、はじめてとは思えないくらい素晴らしい演技でした。

えりなっち: ありがとうございます!でも、すっごく苦労したんですよ。演技が全然できなくて悩みました。最初の「もう、何回言ったらわかるの?お姉ちゃん」っていうフレーズからつまずいて、エハラさんに2、3時間くらい稽古に付き合っていただきました…(笑)

--- それはかなり厳しい稽古だったんですね…!出演の話はどこから来たんですか?

えりなっち: それがエハラさんが私のインスタをフォローしてくださっていて、ダンスを見てくれてたみたいで、そこからDMで来たんですよ。

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--- えーーーー!?!?DMで!?

えりなっち: そうなんですよ。わたしもびっくりして。「え、エハラマサヒロって人からDM来たんだけど、まさか本人じゃないよね?」みたいな(笑) でもそんな感じで出演することになりましたね。

--- インスタのDMってすごいんですね…(笑) 舞台での経験を通して、女優としての道を目指そうとは思わなかったんですか?

えりなっち: いや、逆にめっちゃ心折れて(笑) そこでわたしに演技は向いていないと思ったんですけど、最近また舞台のお仕事をいただいたんですよ。その舞台は有名なダンサーチームがずっとやっている公演で、わたしもずっと見ていたんです。演技はすごいトラウマだけど、せっかくお話を頂いたし、演技を楽しいって思えるようになりたいと思って、怖いけどチャレンジすることにしました。

--- なるほど。過去のトラウマを乗り越えようじゃないけど。

えりなっち: まさにそうです! もちろんエハラさんの舞台もすっごく楽しくて、自分の人生のベスト5に入るくらい大きな出来事だったんですけど、自分の中では悔いが残ってしまっていて。だから今回の舞台では「できたー!やったー!」みたいな感じで終わりたいと思ってますね!

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えりなっちさんが出演予定の舞台「ラブ・ミー・ドゥー!!」はダンスエンターテインメント集団・梅棒の第11回目公演。今回は元モーニング娘。の新垣里沙さんをゲストに呼ぶなど、さらなる盛り上がりを見せる。公演は東京・大阪・愛知で行われ、初演は2021年2月19日(金)の19時から。詳しくは公式サイト(http://umebou11th.dynamize.net/)を参照。※こちらの取材は2020年12月後半に実施されたものです。該当公演は、現在は終了しています。

今後の目標は?

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--- 今後の目標はありますか?

えりなっち: 振付の代表作をもっと増やしていきたいですね!AKBさんとか、誰もが知ってるビッグネームの振付とかを担当してみたいです!ダンスはまだ自信がないところもあるんですけど、振付は絶対いいの作れるって思える唯一の分野だから、絶対にとってやろうっていう気持ちはありますね。

--- えりなっちさんなら絶対に取れると思います!ダンスや振付のお仕事はもちろん、舞台、そしてTiKTokでの活動も応援しています!

インタビューを終えて彼女の軽妙な語り口に時に爆笑しながら、色々な話を聞きました。そんな中思ったのは、彼女は常に考えている人ということ。APPTOPIで書いてくださっている記事でもそうですが、彼女は人を楽しませるための労力を惜しみません。ところどころ隙を見つけてはユーモアを差し込み、笑わせてくれるのです。常に他人の気持ちを思い量り、どうしたら楽しんでもらえるかを考えているのだと思います。そんな彼女の力はダンスだけでなく、芸能活動、SNS活動にもこれから如何なく発揮されていくことでしょう。ますます大きな存在になっていく彼女に、今後も目が離せません。
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インタビュー:杉浦 雨


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