プロライターが直伝! 作文が大嫌いな人のための【読書感想文の書き方】
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その重要な場面は、それまでと何が変わりましたか?
さっき思い出した重要な場面は、きっとそれまでと何かが変わる「転機」だったと思います。それまでは平和だったのに急に悲しいことが起こった、それまで大ピンチだったのに急に助けてくれる人があらわれた―――何かそれまでとの「違い」があるはずです。その違いもメモしてみましょう。
私の場合は、「それまでの主婦は恥ずかしいことをしても気にしなかったのに、急に自分の失敗を恥ずかしく思うようになった」です。
その変化は、なぜ起こったと思いますか?
さて、物語が何らかの変化を迎えたときには、その変化に理由があることが多いです。たとえば、主人公の頑張りを見てくれている人がいたから。戦争が起こったから。友達の忠告を聞かなかったから。実は誤解だと分かったから、などが挙げられますね。
私の場合は、「きっと主婦が賢くなったからだと思う」ですね。
※あのあらすじには突然としか書いていなかったので、予想になります。
なぜ起こったかについては、はっきり分からないなら「自分はこうだからじゃないかと思う」でも大丈夫です。それに対する感想を一言付け加えるのも面白そうですね。努力が報われたからだと思う、良かった。とか、見ていてくれる人がいてくれたのは幸運だったと思う、とか。
さあ、いったん考えをまとめるのはここで終了です。ここまでで4つのことが出てきました。
1.あなたが一番に感じたこと(感想)
2.どこでそう感じたのか(感想の理由となる場面)
3.そう感じるまでの経緯(感想の根拠となる出来事)
4.その経緯に至る理由・予想(自分の感じた感想に対する付帯説明)
なーんか小難しいですね。でも、この小難しいこと、もうあなたはできちゃってますよ。
かっこよく書こうと思わない
さて、ここまでであなたが本を読んで感じた”感想”がはっきりしたと思います。
あとはこれを紙に書いていくだけです。
世の中には、「まずこれを書き、次に理由を書き…」と親切に指導してくれる指南書もありますが、あなたが伝えたいことを、伝えたい順番で書くのが一番伝わると思います。
人を感動させるような素晴らしい読書感想文が書きたい! というのであれば構成にこだわる必要もあるかと思いますが、そこまで考えていないのならば、話が前後したって、話の移り変わりが急だってかまいません。
実際に好きな映画やゲームの話をする時を考えてみてください。あなたはすばらしい構成でしゃべっているでしょうか?
一番大事なのは”伝えたい”という気持ちです。
今は上手に書けなくても、気持ちがあれば成長と共に書く技術は向上します。けれど、伝えたいと思わなければ、そもそも書きたいという気持ちにすらなりません。
………という精神論ばかりでは役に立たないので、私なら材料をどう感想文にするか実例をお見せしますね。
実例:私なら材料からこう書く
上で挙げたきた材料は以下の4つですね。
1.「主婦、成長したな」
2.「財布を忘れたことを主婦が恥ずかしがった」
3.「それまでの主婦は恥ずかしいことをしても気にしなかったのに、急に自分の失敗を恥ずかしく思うようになった」
4.「きっと主婦が賢くなったからだと思う」
これを元に書いてみます。
私なら、まず書き出しは一番伝えたいことから入ります。つまり1番です。
1年3組 あぷとぴ まさみ
私が「とある主婦の黙示録」を読んで一番心に残ったのは、主婦がとても成長したなという点です。
これで書き出しはバッチリですね。次には、2番を選んで、成長が感じられた場面について説明してもいいのですが、4番の理由を述べるのもありです。
ここまで読むと、「なぜ賢くなったと思ったのか」の理由が必要そうですね。ここで2番と3番を使います。
でも、いつものように主婦が財布を忘れてお買い物に出かけた日、突然主婦は「恥ずかしい」という感情を覚えます。どうして突然恥ずかしいと思ったのかは分かりませんでした。でも、私はそこに主婦の成長を感じました。成長とはつまり、賢くなったということだと思います。これはみんなに笑われることなんだ、ということを主婦が自覚したんだと思うんです。
ここまででおよそ400文字です。原稿用紙1枚程度ですね。
私はごく短いあらすじを元に書いたので、実際に本を読んで「自分が思ったこと」を伝えようとすると、もっとたくさん文字数がかかると思います。
ここまで書くと、勘のいい人は「あ、これを言うためにはこれも言わなきゃ」とか「どうしてそう思ったのかをもっと説明しよう」と思いついて、すらすらっと残りも書けちゃいます。
でも、途中で止まっちゃうよ~という人のために、ちょっとだけ”水増しの裏技”もお伝えしますね。
秘儀:水増しの裏技
まず、他に何か書きたいことがないか考える
・心に残った場面(一番好きな登場人物/一番許せなかったこと/一番驚いたこと)を探す
特に一番好きな登場人物についてどう思うか、は書きやすいです。