【藤咲えりさん・YOFFYさん・アマガイタローさん】 楽曲からも見えてくるレジェンヌの”みんなが主役”の原則【インタビュー】(2/3)
今回の記事では、レジェンヌの楽曲に焦点を当てていきます。魅力的なキャラクターが、最高の楽曲にのせて紡ぎだす旋律。ゲームをプレイしていてその虜になった人も多いのでは? 圧倒的歌唱力で話題になったレジェンヌの、曲作りの秘密をお聞きしました。
レジェンヌ
開発:DMM.com Co., Ltd.
掲載時の価格:無料
Ver:iOS 1.0.2 / Android 1.0.2
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みんなが主役、その精神はYOFFYさんの楽曲づくりにも
まさみ:確か、楽曲はすべての曲を全員が歌唱可能なんですよね?
出典:レジェンヌ ~ BE A STAR ~ 『it’s show time』
平田P:「Be a star」を除き、全ての曲をみんなが歌えます。そこがレジェンヌの重要な根幹ですから、(声優さんの)オーディションではそこを注目しました。
まさみ:でもみんなが歌えても、この曲はこの子をっていうの、ありますか?
YOFFYさん:そうですね、1つひとつの楽曲を作る際はイメージしているキャラクターがいます。
まさみ:やっぱりそうなんですか! でも私、かなり鈍いほうだからイメージを掴めるかなぁ。
平田P:それは(聞けば)すぐにわかりますよ。でも、敢えて「この子の歌だよ」と強調はしてません。
まさみ:聞けばすぐに分かるなら安心です。でも、強調しないのはなぜですか?
平田P:レジェンヌの楽曲は「キャラソン(キャラクターソング)」じゃないからです。
まさみ:キャラソンじゃない……あっみんなが歌える「公演曲」という位置づけだからですか?
平田P:そうです。その公演曲の中に、あるキャラの一面がイメージできるというか…
まさみ:その曲全体がキャラのために存在するのではなく、ふとした瞬間に楽曲とキャラがリンクする…あの子の顔が、つい浮かんじゃうって感じですかね?
YOFFYさん:その辺は自由に受け取ってもらえばいいと思っています。作り手としては「感じてもらえたら嬉しいな~」みたいな。
まさみ:全力で感じさせていただきます!
平田P:やったら大体わかるんで大丈夫ですよ(笑)
YOFFYさん:最初はそれぞれのキャラソンでという話でしたが、仕様変更もありまして。色々設定が変わったりとか……でも、歌詞を作るときに、これは誰の曲にしようかって言う仮想の主人公が自分の中にありました。
まさみ:じゃあ、歌詞を聞けばすぐに誰のイメージか分かりそうですね。あっでも、キャラの数だけしか曲がないわけじゃないですよね?
YOFFYさん:それはもちろん。
まさみ:じゃあ、本科生3人をイメージした曲とか、複数人のキャラをイメージした曲も……?
YOFFYさん:今はキャラ単体の曲だけなんですけど、それはまあ、 追々の楽しみということで(笑)
まさみ:楽しみにしてます!! レジェンヌはやっぱり素晴らしい歌がありきのゲームですもんね!
レジェンヌに最高の楽曲を提供するため、ボーカロイドの操作を習得
まさみ:ところでツイッターを見てて前々から気になってたんですが、YOFFYさんていつ寝てるんですか?
YOFFYさん:(笑)でも、レジェンヌの楽曲は瞬間にぱっとひねり出して作る感じですよ。
まさみ:すごいですね……
YOFFYさん:スピード感を重視しているというか、ある程度曲を完成形で平田プロデューサーに提示したいんですよ。すると、歌を作るのに1週間、そこからOKをもらって歌詞を1週間という時間はないんです。
まさみ:そうですよね。
YOFFYさん:なんで、レジェンヌのためにボーカロイドを覚えました!
まさみ:ええええ!? あれって慣れるまで結構大変ですよね? 何となく遠回りのような気が…
YOFFYさん:女性が歌うものなので、自分の音域の問題などもありますし、ボーカロイドに歌わせてます。で、音符を打ち込むのと同時に歌詞を決めていくんですよ。サウンド的にも耳触りがよく、意味もぐっとくるように。
まさみ:すごい、同時進行だ…。曲を打ち込みながら歌詞を作ってるんですよね。同時に2つのことをやるなんて……同じクリエイターとして信じられますか、アマガイタローさん!?
アマガイタローさん:いや、僕は絵描きですんで。
一同:(笑)
アマガイタローさん:でも本当凄いですね、ある種即興というか…
YOFFYさん:僕は自分の歌も歌いながら詞を作るって言う感じですね。
平田P:そうなんですね。そうやって曲に詞が乗った、ある程度の完成形を示してくれたのでとっても伝わりやすかったです。
平田プロデューサーも初めて知るYOFFYさんの思惑
YOFFYさん:ええ、すぐにダメ出しが欲しいんです。
平田P:曲と詞をバラバラにもらってたら、どっちも単体で見て評価しちゃってダメだったんじゃないかなーって。今言われて初めてわかりました。
YOFFYさん:僕は作詞も作曲もするっていうポジションだからこそできる、スピード感を大事にしています。どんどん新しい世界を平田さんにぶつけていきたいなって。
まさみ:私は最初「It’s show time」を聞いた時に勢いみたいなものを感じたのですが、それはYOFFYさんの姿勢に由来したものだったかもしれません。
舞台とは違う歌い方で。藤咲さんとレジェンヌの楽曲
まさみ:藤咲さんはYOFFYさんの楽曲にどんな印象を持ちましたか?
藤咲さん:YOFFYさんの曲って、1回聞いたら旋律が耳に残って、すぐに入ってくるんですよ。
まさみ:へぇ~! すごい!
藤咲さん:本当にすごいですよね。最初に感じたイメージをなるべく大切にして歌いました。
まさみ:確かにどの曲もキャッチーですよね。でも、決して全部似たような印象じゃない。その幅広さに戸惑ったりはしませんでしたか?
藤咲さん:私は宝塚時代からクラシックが基本みたいなところがあったので、アップテンポに慣れていないんです。だから、少しテンポに苦労しました。
まさみ:やっぱり舞台とは違いますよね。
藤咲さん:舞台だとお芝居から歌に移るとき、変化を持たせてはいけないんです。役を保ったまま伝わりやすいように歌う必要があります。
YOFFYさん:ミュージカルって歌で台詞や情景を伝える部分がありますもんね。
藤咲さん:そうなんです。でも、ゲームの曲だとアップテンポだし、メロディが先に行っちゃう。言葉をゆったり伝えていたら遅れそうになるんです。
YOFFYさん:レジェンヌは音ゲーだから、色んなフックがあったり、リズム的にユーザーを引き込ませるって言うのが大事な要素ですからね。
まさみ:テンポ感みたいなものですかね?
YOFFYさん:テンポ感は速いものは速いので、(歌い手が)苦労する部分はあると思います。でも、流行りの音ゲーに比べるとバラードなどのスローな曲もあるので、割と異質な音ゲーだと思いますよ。
平田P:こっちは特に音ゲー重視でというオーダーはしていないんですけど、むしろYOFFYさんの方が気を使ってくださってるんですよ(笑)
一同:(笑)
平田プロデューサーの台詞に、笑いが起きました
YOFFYさんの人知れぬ努力に、取材陣はもちろん、レジェンヌ制作陣の皆さんも驚きでした。そのようにして作られた楽曲に、藤咲さんを始めとした声優陣が命を吹き込む。だからあれほど魅力のある歌が出来上がったんですね。次の記事ではキャラクターデザインの裏話など、みんなが楽しめるゲームとしての「レジェンヌ」の在り方についてお話しいただいています。
レジェンヌ
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